基礎工事の事故例と対策

事故例

１．坑内の崩落事故

基礎工事では、深い掘削が行われることが多いため、坑内の崩落事故がしばしば発生します。

特に、掘削部分の周囲が緩い土壌である場合、崩落のリスクが高まります。土壌の崩壊に巻き込まれた労働者が重傷や死亡するケースも少なくありません。

２．落下事故

高所での作業中に足場が崩れる、または不安定な足場から落下する事故があります。耐震工事では屋根や高所の補強が必要なことが多く、安全対策が不十分だと重大な事故につながります。

３．工具や資材の落下

高所作業中に工具や資材を落とし、下にいる作業員や通行人に当たる事故があります。特に重い工具や資材の場合、落下による怪我のリスクは高くなります。

４．感電事故

耐震工事に伴う電気配線の移設や修理中に感電する事故があります。特に古い建物では配線が劣化しており、感電のリスクが高まります。

５．火災事故

溶接作業や電気工事中に火花が発生し、周囲の可燃物に引火する事故があります。特に木造の古い建物では火災が広がりやすいです。

６．作業中の健康被害

耐震工事で発生する粉塵や有害物質を吸入し、健康被害を受けることがあります。特にアスベストを含む建材を取り扱う際には、十分な防護策が必要です。

対策　

これらの事故を防ぐためには、以下の対策が重要です。

１．事前調査と計画の徹底

耐震工事を行う前に、建物の構造や状態を綿密に調査し、詳細な計画を立てることが重要です。特に、古い建物では設計図が不明確な場合が多いため、現地調査を徹底し、補強計画を立てます。

２．安全な足場の設置

高所作業には安全な足場の設置が不可欠です。足場は定期的に点検し、不安定な部分がないか確認します。作業員には安全帯やヘルメットなどの保護具を必ず着用させます。

３．落下物防止対策

高所作業中には工具や資材の落下を防ぐために、安全ネットや防護シートを設置します。また、工具や資材を確実に固定し、落下しないように注意します。

４．電気設備の安全確保

電気配線の移設や修理を行う際には、事前に電源を確実に遮断し、絶縁工具を使用します。また、作業前に配線の状態を確認し、安全な環境で作業を行います。

５．防火対策の徹底

溶接作業や電気工事中には、周囲の可燃物を取り除き、消火器を常備します。火花が発生する作業を行う際には、周囲に火が広がらないように防火対策を徹底します。

６．健康被害防止策の実施

耐震工事中に発生する粉塵や有害物質を防ぐために、作業員には防護マスクや保護メガネを着用させます。アスベストを含む建材を取り扱う際には、専門業者に依頼し、適切な除去手順を遵守します。

７．教育と訓練の実施**:

作業員に対して定期的な安全教育と訓練を行い、事故のリスクを認識させることが重要です。特に、耐震工事に関する専門的な知識と技術を身につけさせ、安全意識を高めます。

８．緊急対応計画の策定

万が一の事故に備えて、緊急対応計画を策定し、作業員全員に周知徹底します。応急処置の方法や緊急連絡先、避難経路などを明確にしておくことで、迅速な対応が可能となります。

耐震工事リフォームは、建物の安全性を高めるために不可欠ですが、その過程でさまざまなリスクが伴います。適切な対策を講じることで、多くの事故を未然に防ぐことができます。